老齢基礎年金の満額とは?

国民年金保険料(厚生年金保険料)を25年以上【平成29年8月1日以降は10年以上】納めた場合は、国民年金制度からは老齢基礎年金という全国民共通の老齢年金を65歳から受給することができますが、この老齢基礎年金額には満額(フルペンション)という考え方があります。

 

 老齢基礎年金額は、20歳から60歳までの期間における保険料の納付状況によって左右され、納付状況に応じた老齢基礎年金が支給されることになりますが、20歳から60歳までの40年間(480月)全ての期間が保険料納付済期間である場合には必ず一定の額が支給されることになり、平成29年度額の場合には779,300円となっています。

 

※老齢基礎年金の満額とは固定された金額ではなく、物価等に応じて毎年度変更がありえます

 

 言い換えると、20歳から60歳までの期間以外で40年(480月)以上の期間をかけている場合でも老齢基礎年金としては満額とならないことになります。

 

※例えば22歳から厚生年金被保険者として62歳まで継続して勤務すれば480月となりますが、20歳から22歳までの期間は保険料納付済期間でない場合には老齢基礎年金は満額とはなりません。この場合は厚生年金より「経過的加算」として支給されることになるため、結果的に不利となるわけではないことになります。また、22歳から60歳まで厚生年金に加入した後、60歳から62歳まで国民年金に任意加入した場合は、国民年金の被保険者期間が40年に到達しますので、この場合は満額の老齢基礎年金が支給されることになります。

 

 また、老齢基礎年金の満額とは法律上、必ず100円単位で支給されることになっていますが、満額ではない老齢基礎年金が支給される場合には、平成27年10月以降は被用者年金一元化により1円単位による支給へと変更になっています。