平均標準報酬月額および平均標準報酬額とは?

 厚生年金保険料を徴収するための基準として報酬月額、標準報酬月額、標準賞与額等を用いることについて触れてきましたが、これは厚生年金保険料を算出するための基準であり、実際の年金額の算出には平均標準報酬月額と平均標準報酬額を用いることになります。

 

 平均標準報酬月額とは各月の標準報酬月額を再評価した総額を被保険者期間で除した額を指します。

 

※再評価とは昔と現在の貨幣価値が異なっていることによる年金額の縮減を避けるため、年金額の計算にあたっては昔の標準報酬月額を今の現在価値に直して計算することを指します。

 

平均標準報酬額とは各月の標準報酬月額と標準賞与額を再評価した総額を被保険者期間で除した額を指します。

 

 平均標準報酬月額は賞与が厚生年金保険料算出の基準でなかった平成15年3月以前までの年金額の算出基準であり、平均票報酬額は賞与が標準賞与額として厚生年金保険料算出の基準となった平成15年4月以降の年金額の算出基準となります。

 

 この平均標準報酬月額と平均標準報酬額に一定の乗率を掛けて年金額を算出することになるのですが、平均標準報酬月額に比べて平均標準報酬額の乗率は低くなっていますので、通常の月額給与のみで平均標準報酬額を算出すると平均標準報酬月額の給付水準に比べて年金額は低くなることになります。

 

 そのため、平成15年4月以降の年金額の算出には賞与額の多寡が大きく影響する仕組みとなっているといえます。