年金を受給するためには?

年金を受給するためには制度に加入しているというだけでなく、国民年金であれば国民年金保険料、厚生年金であれば厚生年金保険料を納付し、保険料納付義務を果たすことで初めて年金を受給することが出来るようになります。

 

 また、ただ保険料を納めるというだけではなく、保険料を納めてかつ一定の要件を満たすことで年金の受給資格を得ることが出来るようになっています。例えば老齢年金でいえば原則として保険料を25年納めることが必要ですし、障害年金や遺族年金でも直近1年要件や3分の2要件を満たす等、一定の要件を満たさなければなりません。

 

※老齢年金(旧法通算老齢年金も含む)については平成29年8月1日より受給資格期間短縮により、保険料納付済期間や保険料免除期間等を合わせて10年以上の期間があれば老齢年金を受給出来るようになりますが、老齢年金は保険料を納めた期間に応じて給付額が変動することとなるため、期間が少なければそれに合わせて老齢年金額も低廉となります。また、遺族給付の中では寡婦年金を受給するための期間も25年から10年に短縮されることになります。

 

 年金保険料を納めるということはは社会福祉の恩恵を享受することと直結しており、言い換えると年金保険料を納めないでいるということは社会福祉の恩恵を放棄しかねないことになるため、年金保険料を納付することが難しいという場合でも、保険料免除制度を活用する等、年金に、ひいては社会福祉制度に興味を持つということは非常に重要であるといえます。

 

 

被用者年金とは?

国民年金を日本における国民皆年金の基礎とするならば、被用者年金は「被用者」といっているように民間企業や公務員として勤務される方が加入することとなる年金のことを指します。

 

※勤務されるからといって必ずしも被用者年金に加入するわけではなく、原則として被用者年金の適用事業所に勤務する方が対象となります。

  

 被用者年金とは大きく分けて厚生年金と共済年金に分けることが出来ますが、平成27年10月1日より被用者年金一元化という制度改正により、共済年金は基本的に厚生年金の制度内容に合わせて統一されています。そのため、現在では共済組合という機関は存続してはいますが、被用者年金の制度内容としては厚生年金に一元化して全ての機関で運用がなされています。

  

 被用者年金に加入される方は、国民年金のみに加入される方と異なり、国民年金と厚生年金の両方に加入されることとなり、国民年金の給付と厚生年金の給付をいずれも受けることが出来ることとなり、国民年金のみに加入される方と比較して補償が手厚くなっているといえます。

 

 

国民皆年金って何?

よく一般的に日本の年金制度は国民皆年金といわれますが国民皆年金とは何を指すのでしょうか?

 

日本の年金制度においては、現在とは趣旨は異なりますが古くは恩給制度に始まり、その後、共済組合による年金、厚生年金保険による年金、船員保険による年金、国民年金による年金と様々な制度ができていくことになります。

 

恩給制度による給付や、共済組合、厚生年金保険、船員保険による年金については一定の限られた方のみが給付の対象となっていましたが、昭和36年4月1日に上記の制度に加入していない国民が加入する国民年金制度が発足することで、ここにおいて全ての国民が何らかの年金制度に加入するいわゆる国民皆年金が達成されることになります。

 

現在では、この国民皆年金が広く認知され、日本国内に住む20歳以上60歳未満の方は全て国民年金に加入することが義務となっており、任意に脱退するということは出来ません。

 

なお、国民年金保険料を納付していなければ督促や強制徴収の対象となりますし、保険料を未納のままにしておくと将来の年金額に影響しますし、最悪の場合は年金を受けることが出来ないということになる可能性もあります。

 

事情があり国民年金保険料を納めることが出来ないという場合でも、そのまま保険料を未納とするのではなく免除申請を行っておくことが非常に重要となりますので、忘れずに免除申請を行って頂ければと思います。